研究
研究
ひらめきをもたらすBGMの研究

更新日:2022年3月1日

ひらめきをもたらすBGMの研究

近年、オフィスではより快適な環境へとリノベーションが活発に行われ、BGMを流す企業も珍しくなくなっています。
USENでは、会議が煮詰まってしまってちょっとしたひらめきが欲しい、もっといいアイデアが浮かべばいいのに、というようなオフィスでのワンシーンに、BGMで寄与できないかと考え、「BGMによってひらめきがもたらされるのかどうか」というテーマで、先行研究(※)を元に検証を行いました。

※Happy creativity: Listening to happy music facilitates divergent thinking Simone M. Ritter ,Sam Ferguson Published: September 6, 2017

先行研究について

先行研究は2017年にオランダのラドバウド大学のSimon M Ritter氏らによって行われた研究です。この研究では、脳を覚醒状態にし、かつ快い音楽がひらめきをもたらすのではないかという仮説のもと、無音のときと4種類のBGMをそれぞれ流したときのひらめき力をテストしました。
研究に用いられた4種類の音楽は下の図表の通りです。



図
  BGMの種類 先行研究で使用された楽曲
覚醒的かつ快いBGM ヴィヴァルディ「春」
鎮静的かつ快いBGM サン=サーンス「白鳥」
覚醒的かつ快くないBGM ホルスト「火星」
鎮静的かつ快くないBGM バーバー「弦楽のためのアダージョ」

ここでBGMの種類を「快」および「不快」と表していますが、音楽を聴いて「不快になる」ということは一般的に言ってあまり考えられません。「快」はいわゆる明るい印象の楽曲(主に長調、楽しい雰囲気など)、「不快」は暗い印象の楽曲(主に短調、鬱々とした雰囲気など)と解釈できます。 また、覚醒的な音楽とは、テンポが速めで元気な印象の楽曲、鎮静的な音楽とはテンポがゆったりとしていて静かな印象の楽曲を指しています。

この研究の結果は仮説の通り、覚醒的かつ快いBGMを聴いているときに最もひらめきがもたらされた、というものでした。



実験概要

USENでは、公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授監修のもと、先行研究で使われたBGMとは異なるBGMで実験を行いました。実験では、男女10名を対象に、前出の図にあてはまる4種類のBGMをそれぞれ聴きながらひらめき力を測るテストに取り組んでもらい、その時の脳活動を測定しました。

4種類のBGMは先行研究で使用された楽曲の類似楽曲をAIで選曲したものです。
AIによって選ばれたこれらの楽曲が本当に①~④の図のような楽曲であるかどうか、その妥当性を検証するため、事前に脳活動測定実験の参加者とは異なる男女12名に楽曲を評価してもらいました。

結果

BGMによってひらめきがもたらされる可能性があることが示唆されました。

音無し
音有り

上の図において黄色で囲んだ部分が創造性に関わるとされる「側頭頭頂接合部」です。
側頭頭頂接合部は創造性や想像性、比喩の理解などに関わる部分であり、音楽なしの時と比べて音楽ありの時に活性化していることが見て取れます。

この結果と先行研究の結果から、オフィスで「覚醒的かつ快感情が高まるBGM」を流すことはオフィスワーカーにひらめきをもたらす可能性があると考えられます。



監修者からのコメント

篠原菊紀教授
東京大学、同大学院博士課程等を経て、公立諏訪東京理科大学応用情報工学科教授、医療介護健康工学部門長、学生相談室長。専門は脳神経科学、応用健康科学。

<監修>公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授

仕事を頑張ってこなしているとき働く神経ネットワークを実行機能ネットワーク(CEN)と言います。すでに知っている答えを見つけ出したり、理屈で考えていけば当然に導ける答えなら、このCENが活性化することでひらめきが起こります。しかし、考えても考えてもひらめかない、考えがぐるぐる回る、そんな時はCENの働きだけでは足りません。脳の中で新たなつながりが生み出される必要があります。そのとき働くのがデフォルトモードネットワーク(DMN)です。散歩中とか、お風呂の中でとか、ぼんやりしている時に、DMNが働き、過去の情報や自分の体験を新たにつないでいきます。今回の実験で活性化した側頭頭頂接合部は頭頂連合野の一部で、DMNは頭頂連合野を含みます。また側頭頭頂接合部は比喩の理解や想像力にかかわる場所としても知られています。ですから、音楽を聴くことで聴かない場合よりひらめきが増す可能性があります。煮詰まったら音楽を聴くといいでしょう。

おすすめ番組

USEN番組

ひらめきをもたらすBGM

公立諏訪東京理科大学 篠原菊紀教授監修の実験を元に、ひらめきをもたらすと考えられる特徴を持った楽曲をAIによる選曲でお送りするチャンネル。脳の創造性・想像性に関する部位に働きかけ、ひらめきをもたらすことが期待されます。明るいミドルテンポのラウンジ・ミュージックの中からオフィスにふさわしい楽曲をお届け。会議室はもちろん、社員同士のコミュニケーションスペースなどにもおすすめの番組です。



※詳しくは、お客様が加入されている各サービスのホームページをご覧ください。
music.usen.comリンクアイコン
MPX-1リンクアイコン
Sound Design for OFFICEリンクアイコン


【免責事項】
・本ページの実験結果は、各種実験業務の委託により得た分析結果を記載したものです。当社並びに当該分析結果は、何らかの効果を保証しているものではありません。



研究記事一覧はこちらリンクアイコン